VIP BENTO コラム 宮本 尚樹さん 第9回
「この時期、カンピロバクターにはご用心」

梅雨入りしたとたんに雨の降らない関東地方。
確か昨年も空梅雨で、ダムの貯水量の話題が日々ワイドショーを賑わせていましたが・・・
今年はそうならない事を願いたいものです。

さて、気温が高くなり、湿度があがってくると気をつけたいのは食中毒ですよね。この時期は細菌性食中毒の患者数が非常に増えます。黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌、カンピロバクターなど、みなさんも耳にしたことは多いかと思いますが、中でも特に気をつけたいのがカンピロバクター。

例えば、平成28年度の6月の細菌性食中毒患者数は761人ですが、うちカンピロバクターが原因なのは436人、7月は1,246人に対して265人、8月は1,071人に対して323人と、いずれも患者数としては1位なのです。

では、カンピロバクターの原因は何なのでしょう。
カンピロバクターは家畜や家禽、ペットなどの腸管に保菌されていて、また未消毒の井戸水も結構危険な存在です。特に最も大きな原因は鶏肉で、夏季で約60%もの高確率で汚染されているのです。

カンピロバクターの厄介なところは、少量(約100個程度)でも発症するということ。
しかも、感染数週間後に、手足の麻痺や、顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こすギランバレー症候群を発症する場合があります。

では、カンピロバクターから身を守るためにはどうすればよいのか。

① 手洗い
みなさんは、ご家庭で調理をされる際に、ちゃんと手洗いしていますか?
手洗いって、凄く基本的なことですが、実は凄く効果的なのです。石鹸を泡立てて、しっかり洗い流すだけでも、結構除菌できるのですよ。

② 調理器具の使い分け
これも、基本的な事ですが、家庭だとついつい同じものを使ってしまっている人もいるのではないでしょうか。例えば、俎板や菜箸など。生のお肉がふれた俎板や菜箸は、細菌に汚染されていると思って下さい。面倒でも、使い分ける、もしくはその都度しっかりと洗剤で除菌するようにしましょう。

③ しっかりと火を通す
これも、まぁ当たり前の事ではあるのですが・・・
カンピロバクターは75℃で1分以上加熱すれば死滅するので、しっかりと加熱した鶏肉は安心して食べる事ができます。
だからね、美味しいから、好きだからといって、とり刺しやとりわさを食べる行為は、実は物凄いリスキーな行為なのです。
あとは、昨今流行りの低温調理。低温調理は温度帯によっては、細菌が繁殖してしまいます。せめて、お肉の周囲は炙るなり焼くなりするようにしましょう。

先日も江戸川区の飲食店でカンピロバクターによる食中毒のニュースがありました。詳細は分かりませんが、トングを使い分けてしっかり加熱をすれば、防げたのかもしれません。
また、新鮮な鶏肉でも汚染されている可能性は十分にあります。

美味しい食事を食べて、辛い思いをするなんてことがないよう。
みなさんも気をつけて下さいね。

宮本 尚樹

株式会社 伊勢重 取締役業務統括。1981年、東京都出身。(株)すかいらーくに入社し埼玉や千葉で夢庵の店長を歴任し、記録よりも記憶に残る活躍をする。 その後家業を継ぐべく東京に戻る。現在は若旦那として、また伊勢重の7代目として、家業の発展、日本橋の発展、そしてすき焼きの魅力をさらに世の中に伝えるべく奮闘中。趣味は馬場馬術で内国産の全日本馬場馬術大会への出場経験あり。

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